
写真=松林満美
―脚本を読んだ感想はいかがでしたか?
萩原みのり(以下、萩原) 自分が中高生の時に感じていたことが脚本の中に詰まっていました。私も中学生の頃は、はづきのように、自分は違うと思っていてもまわりに合わせて付いて行くような感じだったんですが、高校生になると、自分のペースがわかるようになって「私は行かない」と言えるようになったんです。はづきと葵、両方の気持ちがわかる気がしました。
久保田紗友(以下、久保田) 私も、葵が一人でいることに対して違和感はなかったです。でも、ずっと一人でいたい、という訳でもないので、はづきの気持ちもわかる、という感じでした。
―役作りはどうされましたか?
萩原 はづきというキャラクターを作るというより、はづきと葵、はづきと友達、はづきと元カレ…というように、キャラクター同士の距離感を作ることを大事にしていただきました。
久保田 その距離感が自然に出ていた感じでしたね。撮影現場でも、実際に教室の席が離れているから、休憩時間もその距離感で過ごしていました。
―リビングで感情をぶつけ合うシーンが印象的でした
萩原 私は人に感情をぶつけたことがほとんどなくて…。でも、個人的に「女同士の戦い」というシーンは演じてみたかったんです(笑)。お互いに遠慮があるとよくないと思ったので、私から本気で物を投げつけたりして、本気のケンカをしていました。終わってみれば楽しかったです。
久保田 私は普段、思ったことをちゃんと言うようにしているのですが、あのシーンほど感情をぶつけ合ったことはなかったので、気持ちよかったです(笑)。本気だからこそ、はづきとも、みのりちゃん自身とも距離が縮まったと思います。
―もたいまさこさんとの共演はいかがでしたか?
萩原 こんなにも気さくにお話しさせていただけるんだと、最初はびっくりしました。お話ししたいことはたくさんあったんですけど、話しかけていいのかな、とか…。悩んでいたことを、もたいさんのほうからすべて消してくださいました。
久保田 撮影していない時間でも、3人でいる時間をすごく大切にしてくださったんです。それが役としても大事な時間になったので、あとからとてもありがたい気持ちになりました。
萩原 すべての撮影が終わった後も、「楽しかったね」という気持ちが強かったですね。毎日、朝から夜までずっと撮影して大変だったはずなんですけど、全然大変という感じがしませんでした。ほかの現場にはない空気がずっと流れていましたね。
久保田 スタッフさんもずっと笑顔を絶やさずにいてくださって、こっちも「まだまだやるぞ」という気持ちになれた、とてもいい現場でした。
―完成した作品を見て、いかがですか?
萩原 自然に現場にいられたのが印象的でした。「演じている」のではなく、自分の感情が動いたからその通りに行動して、それを撮っていただいているような…不思議な感覚でした。完成するまでモニターに映る自分を見ていなかったんですが、物語の中で、初めて「はづきちゃん」と呼ばれたときのはづきの表情が、照れたような、「そういうのいいから」というような、本当にそのときのはづきの微妙な感情が出ていて、自分で驚きました。
久保田 自分ってこういう顔をするんだ、という瞬間がたくさんありました。いろいろなところが繊細に描かれている映画なので、完成した作品を見て、改めて「監督すごいな」って思いました(笑)。
―これから挑戦してみたいことについて教えてください
萩原 アクションに挑戦したいです。これまではなかなかそういう機会もなく…。新体操をやっていたので、身体も動かせると思うので、ぜひ挑戦してみたいですね。
久保田 宇宙に興味があるので、宇宙服を着てみたいです。修学旅行でJAXAに行ったことがあるんですけど、その時に宇宙に興味が湧いて…。SFものに挑戦してみたいです。
―ありがとうございました
右・萩原みのり(はぎわら・みのり)
1997年3月6日、愛知県出身。
2013年にドラマ「放課後グルーヴ」でドラマデビュー後、映画『ルームメイト』で映画デビュー。その後も映画、ドラマで活躍し、2015年のドラマ「表参道高校合唱部!」でレギュラー出演し話題に。2017年は、映画『昼顔』が公開中であるほか、映画『心が叫びたがってるんだ。』『ゆらり』などの公開が多数控えている。
左・久保田紗友(くぼた・さゆ)
2000年1月18日、北海道出身。
2013年のドラマ「神様のイタズラ」「三人のクボタサユ」にそれぞれ主演。2015年からNTTドコモのCM「iPhone・iPad」に出演し、注目を集める。2017年にNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」に出演し存在感を見せた。7月12日からドラマ「過保護のカホコ」(日本テレビ系)にレギュラー出演する。