「自分を知れば、その人ならではのスタイルが自然に生まれてくる」『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』本人コメント

公開中の『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』に出演している、アメリカのインテリア・デザイナー、アイリス・アプフェルからオフィ シャルインタビューが届いた。94歳にして多くの有名デザイナーたちからリスペクトされ、今なおNYのカルチャーシーンに影響を与える、彼女の魅力に迫っ た本作。彼女の輝かしいキャリアを追いながら、“成功の秘密”を紐解いていく本作への想いを語った。

―当初、この映画の話を断ったそうですが、それが「YES」に変わった経緯を教えてください

断っ た理由は、軽薄なファッショニスタとして取上げられたくなかったし、監督のメイズルス氏とは顔見知りではなかったから。再三にわたって電話をしてくる ので、友人のリンダ・ファーゴに話をしたら、彼女にたしなめられたの。その後、また彼から電話があって、ハーレムの彼のオフィスまで会いに行ったんです。 そこで彼と彼の撮影スタッフに会ったのだけれど、撮影スタッフもとても気持ちのいい人たちだったので、出ることに決めたのよ。

―撮影に際して「こうしてほしい」など、あなたからの要望やアイデアがあったのでしょうか?

20160317-01_sub02彼 にはスクリプトも何もなくて、私から提案したアウトラインだけで撮影が始まったの。撮影の時、彼はいつも「あなたが何か興味のあることは? 何かやりた いことがある?」と聞いてきて、その時に私が「これこれがしたい」とか、その時、興味のあることを彼に言って撮影していくというスタイルだったのよ。この 映画の撮影には4年かかったの。

―お仕事の極意、働き続けることの意味や、人との出会いなどについて教えてください

私 はいつも何かしていないとダメなの。一日中、居間に座って何もしないことほどつらいことはないわ。仕事はつらいこともあるけれど、ハードワークであれば あるほど私は楽しくハッピーになれる。私にとってハードワークはすべての良薬ね。人がリタイアを考えるというのは誤りだと思うわ。

―この先ぜひチャレンジしてみたいと思うことは何でしょうか?

何 事もすべてチャレンジだと思っているので、何でも、いつでもすべてが私にとってチャレンジ。チャレンジするのが大好き。私は計画を立てて物事を進めたり しないの。私がやりたいと思ったことを提案すると「やりなさい」と言ってくれる人たちが出てきて、それの繰り返しでやってきたから。94歳になった今で も、いろいろな仕事のお声をかけてくれる人たちがいる。そのことを本当に感謝しているわ。

―この映画を観る人、特に今の若い人たちにメッセージをお願いします

“Know who you are=自分を知ること”、オリジナルであること、そして自分自身であれば、その人ならではのスタイルは自然に生まれてくる。私の展覧会を観た人が私に 「あなたの展覧会を観て、他人と同じように服を着るのはやめたわ」と言ってくれたのだけど、それはとても嬉しい言葉だったわ。私の映画からそういうことを 学んでくれれば嬉しいわ。

―ありがとうございました。

アイリス:サブ3
ABOUT
94歳にして多くの有名デザイナーたちからリスペクトされ、今なおNYのカルチャーシーンに影響を与える、アイリス・アプフェル。1950年代からインテリア・デザイナーとして活躍し、ジャクリーン・ケネディや歴代大統領を顧客に持ち、美術館やホワイトハウスの内装を任された経歴の持ち主だ。2005年にはアイリスのファッション・コレクションの展覧会がメトロポリタン美術館で開催され、驚異的な動員数を記録、84歳にしてそのキャリアの頂点に立った。そんな彼女の“生き方の極意”に迫るべく、展覧会や百貨店でのディスプレイ、通販番組などの舞台裏に潜入する。
配給:KADOKAWA
公式サイト:http://irisapfel-movie.jp/
IRIS APFEL FILM, LLC.