
写真=小林玲
―これまでとはだいぶ違う印象のシーンもありますね。最初に脚本を読んだ時の感想は?
まず読んで、「うわっ、女子って怖っ」って思いました(笑)。こんなこと実際にあるんだなぁ、と思うくらい、リアルに生々しく描かれていたのでびっくりしました。私もSNSを使って友達とやり取りすることはあるんですけど、仲間外れにしてグループ作ったりはしないので…。今の学校あるあるなのかな、と思いながら読んでいました。
―沙彩という人物はどのように作り上げていきましたか?
リハーサルの時に、「声を低くしてほしい」と監督さんからリクエストがありました。私はけっこう声が高くて特徴的なので、日常生活から声を低くすることから始めました。あとは、都会に憧れる女の子なので、ちょっと前髪を意識して止めてる感じを出したり、髪質も、あまりにツヤツヤし過ぎないように、パサッとなるような液を塗ったりしました。
―演劇部の部員同士でも、役作りを相談し合ったりしたのですか?
「こういう子、いるよねー」と言えるようなリアルさにこだわりたかったので、他愛のない雑談のシーンを特にたくさんリハーサルしたりして、実際にどんどん仲良くなっていきました。
―心の距離感というか、難しい間柄を表現するのが難しそうですね
きっと、それぞれに自信がなくて、「弱い」のだろうな、というのをすごく感じました。本当はいい子なんだけど、自分を繕っていないと生きていけないというか、まわりに良く見られたいというか、グループの中の順位を気にしているような。だから意地悪になっていくし、お互いを傷つけてしまうんだろうと思います。
―本作が初主演。普段の撮影と違うところはありましたか?
撮影前は本当に緊張していて、なるべく考えないようにしていました。でも、撮影中は、「このシーン、こうしたらいいよね」と、みんなが意見を出し合ってくれて、みんなでいい作品にしていこうね、という感じで、本当に支えられました。だから「初主演だから」という感じはあまりしませんでしたね。
―つかみ合って怒鳴り合うシーンもありました
出来上がったシーンを見て思わず笑っちゃいました(笑)。撮影中は、どんどん声が枯れていっちゃって…。でも、美紅(齋藤美咲)ちゃんとは「お互い遠慮しないでやろうね」って言っていて、「絶対負けない」と思って目一杯やりました。角度を変えて何度も撮るんですけど、何を言っているかわからなくなってくると、みんなで相談しながらちょっとずつ良くしていきました。
―わりと自由に演じることが多かったようですね
そうですね。みんなで下校するシーンがあるんですけど、そこは全部アドリブだったので、いかにリアルさを出せるか、という感じでしたね。夜中にみんなで「イエーイ!」って感じで(笑)、監督も笑っちゃって、しっちゃかめっちゃかになっていましたけど、うまくまとめていただきました。みんなでSNSやってるシーンも、実際に映画を見てみたら、こんなシーンになってたんだ、と思えて楽しかったです。
―今年8月に二十歳を迎えます。映画やドラマなど活躍の場も広がりそうですね
自分で限界を作らず、一日一日、全力を出していたいなと思っていて。そうすれば、自分が知らなかったものが見えてくることもあると思うので、悔いが残らないように生きたいと思っています。あまり「二十歳」というのは意識していないですね。
―挑戦してみたい役は?
殺人鬼(笑)。あとは、本作みたいな学生ものというか、部活や恋など「熱さ」を感じられる作品に出たいなと思います。
―最後にメッセージを
現代ならではの“あるある”を再現していて、もしかしたら「女子って怖い」ってびっくりしちゃうかもしれないですけど(笑)、でも本当は、ガラスのハートというか、弱くて自信がないからそうなっちゃってるだけで、みんないい子なんだよ、ってことを感じていただきたいです。一緒にハラハラしながら、最後にほっこりしてほしいですね。同世代の方には、「自信持っていいんだよ、素直になっていいんだよ」ってことを伝えられたらいいなと思います。
―ありがとうございました
福原遥(ふくはら・はるか)
1998年8月28日、埼玉県出身。
2005年に子役デビュー。子供向け料理番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」のメインキャラクター・柊まいんとして出演し話題に。主な出演作は、「グッドモーニング・コール」(FOD・Netflix)、「ふたりモノローグ」(TOKYO MX)など。TVアニメ「キラキラ☆プリキュアアラモード」(テレビ朝日系)やTVアニメ「恋は雨上がりのように」(フジテレビ系)などで声優としても活躍。「もしもツアーズ」(フジテレビ系)では3代目ツアーガイドを務める。現在、1stフォトブック「はるかいろ」が発売中。主演ドラマ「声ガール!」(テレビ朝日系)が4月7日(土/深夜2:30~)よりスタート。