
写真=松林満美
―脚本を読んだときの感想は?
女優の活動をはじめてからアクションがやりたいと思っていたので、「きたぞ!」という感じでした。でも、アクションだけじゃなくて、心の傷や闇を持っている役柄だったので、「どうして私を選んでくださったんだろう」と思って監督に聞いてみたんです。そしたら、「これまでのイメージとは違って、知英にはきっと別の一面があると思った。国籍も不明な、謎めいた役ができるのは知英しかいない!」と言っていただいて、すごくうれしかったです。
―これまで出演された役とも一味違いますね。愛子に共感できるところやそうでないところは?
愛子の境遇を想像したときに、あの事件が起こってから今までにどんな経験をしてきたんだろうと思うと計り知れないですが、でも、きっと強がりなところがあると思うんです。それは私も共感できるし、彼女の気持ちが分かる部分でもあるので、演じる上でうまくいくことがあったと思います。
―演じる上で気を付けた点は?
ミスは絶対にないというプロの殺し屋でいるにはどうしたらいいんだろう、どんな気持ちなんだろうというのをたくさん想像しました。セリフがあまりなかったので大変だったんですが、監督からもヒントをいただきながら演じていました。
―監督とはどういうお話をされたんですか?
現場に入ったら、そのシーンについての説明を細かくしていただいて、たまには私も「こういうのどうですか」と意見を出してみたりもしました。でも、監督の頭の中に映像がしっかりあるので、監督を信頼して素直に演じられました。
―完成した作品をご覧になっていかがでしたか?
宿敵と対峙するシーンがすごくカッコよかったです! スローモーションになって、傷がパッて(笑)。これはアクション映画ならではの感じで好きでした。カッコよかったです。それに、脚本を読んだだけではわからなかった、色味や照明、カメラアングルに監督のこだわりがあって、私が想像していたものとまったく別のものになっていました。
―今回はアクションに挑戦しましたが、この先はどんなことに挑戦してみたいですか?
今度はもっと体を使ったアクションもやってみたいですね。あとは、純愛ラブストーリーとかもいいですね。恋愛映画には出演させていただいているんですけど、「純愛ラブストーリー」というのはあまり経験がなくて・・・。竹中直人さんと入れ替わった(映画『レオン』)ことはあるんですけど(笑)。でも、いろいろな役になんでも挑戦してみたいですね。
―改めて、この映画のみどころは?
今までの私を知っている方は、「こわい」と思う方もいるかもしれませんね。でも、「かっこいい」と思ってくださる方もいるかもしれないし、初めて私のことを映画で観てくださる方はどう思われるのか気になりますし、いろいろな方からのご意見を伺いたいです。それに、いろいろな国のスターが出演しているので、海外の方の意見も知りたいです。
―最後に、公開を楽しみにされているみなさんにメッセージを
愛子は口数が少なくて、はっきりと思いを口にしないから、観る方によって感じ方がまったく違うんじゃないかなと思っています。観ていただいた方の感想や反応が想像できないので、それが今回の映画の楽しみでもあります。アニメーションを使った演出もあって楽しいですし、エンドロールのあとにも秘密が・・・(笑)。絶対に最後まで観てくださいね! 本当に、みなさんの反応が楽しみなので、ぜひ劇場で楽しんでください。
―ありがとうございました
知英(JY/ジヨン)
1994年1月18日生まれ。韓国出身。
KARAの元メンバー。2014年より日本を中心にアジア各国で女優活動をスタート。同年、ドラマ「地獄先生ぬ~べ~」でヒロインゆきめ役に抜擢。「民王」「ヒガンバナ~警視庁捜査七課~」など話題作に多数出演。2016年にはアーティスト「JY」としてデビュー、2ndシングル「好きな人がいること」では、配信チャート12冠を達成。2017年放送のドラマ「オーファン・ブラック~七つの遺伝子~」で連続ドラマ初主演。ほか、映画では『暗殺教室』シリーズや『片思いスパイラル』などに出演。『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』では人気キャラクターのハーレクイーン役の声優を務めた。劇場長編映画初主演作品『レオン』、主演映画『私の人生なのに』に続き、本作が最新主演作。