
取材・文=志村昌美 写真=三橋優美子
―今回が映画初出演となりましたが、出演が決まったときのお気持ちを教えてください
新谷ゆづみ(以下、新谷) 何の前触れもなく、映画の出演が決まりそうだというメールが届きました。ただ、私がメールに気が付いたのは5日後くらいで・・・(笑)。なので、そのときはいろんな意味で衝撃的でしたし、信じられなかったです。
日髙麻鈴(以下、日髙) 私はすぐにメールに気が付いたので、読んだ瞬間に「えっ!?」と驚いて飛び跳ねました。ただ、舞台で演じたことはありますが、映像での演技はしたことがなかったので、正直不安な気持ちもあったと思います。
―そのあと、これだけ豪華なキャストが揃うと聞いたときはどう思いましたか?
新谷 出演者のみなさんを知ったときも本当に驚きましたし、より緊張しました。
―お二人が一緒に出ることは最初から知っていたのですか?
新谷 もうひとり女の子が一緒に出るということだけ聞かされていましたが、それが麻鈴だということは知らなかったんです。なので、「どなただろう」と気にはなっていました。
―お互いが相手だと知ったときは、いかがでしたか?
新谷 私は安心感のほうが大きかったですね。実際、現場ではわからないことばかりだったので、麻鈴が一緒でよかったです。
日髙 私もすごく安心しました。最初は全然知らない人とペアを組むのかなと思っていたので、「ゆづならいつも一緒にいるじゃん!」って(笑)。
―初めての現場で驚いたことがあれば教えてください
日髙 さくら学院ではステージによく立っていたので、そういう現場は知っていましたが、映画ではスタッフさんの人数の多さに驚きました。しかも、これだけ大勢の方がいる中で演技をするというのがいままでにはない経験だったので、すごく印象に残っています。
―いつもとは違う環境で演じてみて、印象に残っている出来事はありましたか?
日髙 泣くシーンがあり、もともとセリフはなかったんですが、『さよならくちびる』の主題歌を歌ってみることにしました。最初から考えていったわけではなく、感情が高ぶって自然と出てきてしまったのですが、監督が私のアドリブを採用してくださったのはうれしかったです。
―初めての現場でいきなりアドリブができるのはすごい度胸ですね
新谷 本当に、麻鈴はすごいですよね。でも、私もそのアドリブにちゃんと応えないといけないと思って演じていました。いつも一緒にいたからわかり合えた部分もありますし、だからこそできたシーンだと思います。
―出来上がった映画を観たときの感想を教えてください
新谷 私は大画面に自分の顔が映るというのが初めてだったのでびっくりしましたが、「もう少しこうできたかな」と思うところもたくさんありました。
日髙 さっき話していた歌のシーンを使ってくださっていることに驚きましたし、あとはゆづと同じで「自分の顔が大きく映っていて大丈夫かな」みたいなことを思っていました(笑)。でも、作品のなかに私たちがしっかりと溶け込めていると感じられたのはよかったです。
―小松さんや門脇さん、成田さんという先輩たちと同じ現場を過ごしてみて、どのように感じましたか?
新谷 とてもリラックスして撮影をされているのがわかりましたし、みなさんが作り出す雰囲気のおかげで過ごしやすかったです。とても素敵な方々だなと感じました。
日髙 私もみなさんがすごく自然体で演技されているのが印象的でしたが、だからこそ、私たちもいつもみたいな関係で自然にできたのかなと思いました。
―日高さんもエレキギターを弾かれるそうですが、小松さんと門脇さんの演奏する様子をご覧になっていかがでしたか?
日髙 本番は直接ではなく、映像で見させていただきましたが、こういう気持ちでギターを弾きながら歌っているんだろうなというのが、歌い方や表情から伝わってきてワクワクしました。
―今回は素晴らしい楽曲がいくつもありますが、お二人が好きな曲を教えてください
新谷 いつも聞いていて、ずっと口ずさんでいたくらいどれも好きなので、選べないですね。でも、強いて言うなら「たちまち嵐」。ギターの感じもメロディーも歌詞も素敵ですごく好きです。
日髙 前向きになれる曲だよね。私は主題歌の「さよならくちびる」が好きです。あと、「誰にだって訳がある」も歌詞の内容が私たち自身の心情に当てはまる部分もあったので、共感しながら聞いていました。
―ちなみに、普段はどのようなジャンルの曲を聞いていますか?
日髙 私は結構洋楽が好きで、アリアナ・グランデとか、ビヨンセとかをよく聞いています。でも、基本的にはあまりジャンルを問わずに聞いているので、最近はあいみょんさんやSEKAI NO OWARIさんなど、いろんなものを聞くことが多いです。
新谷 私が大好きなのは、尾崎豊さん。お父さんが尾崎さんのアルバムを持っていたのをたまたま見つけて、私が勝手に聞いたのがきっかけです。そこからすごくハマってしまって、ずっと聞いていますが、ストレートな歌詞と私にはない尾崎さんの魅力に感じるものがあって、曲を聞くたびにパワーをもらっています。
―音楽に救われた経験や忘れられない一曲はありますか?
新谷 私は尾崎豊さんの「存在」という曲です。自分の進路や将来の夢に悩んだり、落ち込んだりしているときに聞くと、すごく前向きになれますし、自分の存在の大切さに気付かされます。
日髙 私はSuperflyさんの「Beautiful」。自分の進路に迷っていた時期があって、そのときにスカッとした気分になりたいと思ってこの曲を聞いていたんです。実際に聞いてみたら、自分らしく歩んでいいんだという歌詞の内容に、自分を再認識できましたし、「この道で大丈夫なんだ」と冷静に思うことができました。
―お二人とも進路に悩まれていたということですが、新谷さんは女優、日高さんはミュージカル女優を今後は目指されるとのことで、目標や挑戦したいことがあれば教えてください
新谷 私は映画を観ることがすごく好きなので、映画にたくさん出演していきたいなと思っています。目標としては、二階堂ふみさんのように、幅広い役を演じながら、その人にしか出せない味を持った素敵な女優さんになりたいです。
日髙 小さいころから、ディズニーのミュージカル作品とかをずっと見てきたこともありますが、いつかヒロイン役は演じてみたいなと思っています。あとは、「ウィキッド」の魔女役のように、芯のしっかりとした役も素敵ですよね。私は詩や曲も書いているので、これからも音楽をしっかりと続けていきたいです。
―最後にメッセージをお願いします
新谷 初めて映画に出演させていただいて、私たちもすごく緊張してしましたが、将来の夢に向かう第一歩の作品だと思っています。これから成長できる部分がたくさんあると思いますが、私たちの駆け出しの部分が映し出されているので、これからの私たちに期待しつつ、初出演の映画を楽しんでいただけたらうれしいです。
日髙 この映画は、世界のどこかでいま起こっているような雰囲気のある作品になっていると私は感じました。なので、みなさんもそんな風に思いながら観ていただくと、すごくワクワクしてもらえると思います。私たち2人にとっては初めての映画出演になるので、ぜひ注目してください。
-ありがとうございました
写真右・新谷ゆづみ(しんたに・ゆづみ)
2003年7月20日、和歌山県出身。2014年に開催された「ちゃおガール2014☆オーディション」で準グランプリを受賞し、雑誌『ちゃお』のモデルとなる。その後、2016年に成長期限定!!ユニット「さくら学院」に加入し、8代目生徒会長に任命された。2019年3月をもって同グループを卒業し、今後は女優としての活動を始める。
写真左・日髙麻鈴(ひだか・まりん)
2003年12月1日、神奈川県出身。2015年より、女性アイドルグループ「さくら学院」に加入し、クッキング部ミニパティに所属。2019年3月をもって同グループを卒業し、現在はミュージカル女優を目指して活動している。趣味はエレキギターで、特技は英語の歌を唄うこと。
監督・脚本・原案:塩田明彦
キャスト:小松菜奈 門脇麦 成田凌
篠山輝信 松本まりか 新谷ゆづみ 日髙麻鈴 青柳尊哉 松浦祐也 篠原ゆき子 マキタスポーツ
主題歌:Produced by秦基博 、うたby ハルレオ
挿入歌:作詞作曲あいみょん、うたby ハルレオ
製作幹事・配給:ギャガ
制作プロダクション:マッチポイント