
―本格的な“戦隊モノ”やヒーロー作品の要素もありつつ、お笑いのノリもあり、でも応援したくなる不思議な魅力を持つ作品ですね
これまである戦隊モノ、ヒーロー作品ではやらないようなことをやってみたい、という気持ちがあって、その一つが「メットオフ」でした。当初の台本には、そういった展開もまったくなかったんですが、せっかくコメディタッチで作るのだから、もっと面白いことをやりたくて、プロデューサーさんや監督さんに相談したら、「やりましょう!」って言っていただけて。クランクインの数日前だったんですけど(笑)。
―ポスターにもなって、すごいインパクトになりましたね
メットを取るにしても、取る理由が必要ですし、その展開のために小道具や衣装を作る必要もあるので大変ではあったんですが、結果的にポスターにも使っていただけて、やってよかったと思います。コメディだからこその“日常感”というか“リアル感”というのが欲しかったですし、そのほうが観ていただく方にも共感していただけると思うんです。
―新しいヒーロー像かもしれませんね
アメコミのような演出もあるので、『キック・アス』のような“手作りヒーロー”っぽさも面白いと思いました。「見た目がかっこいい」とか「強くてかっこいい」というのが日本の戦隊モノやヒーロー作品だとしたら、僕がやるヒーローは、「一生懸命なのがかっこいい」というのを表現したかった。がんばっている人がヒーローになれないと、悲しいですもん(笑)。
―前作『Mr.マックスマン』の主人公・正義の弟・英雄という役どころです
自分が一人っ子なので、「弟」という感覚がつかめなかったのですけど、兄・正義役の千葉(雄大)くんは10代の頃から共演させていただいていて、年上なんですけど、僕がツッコミを入れて煙たがられる、みたいな、お兄ちゃんみたいな感覚があったので、彼が兄役で助けられた部分が多いですね。2人が並んで変身するシーンなんて、ゾクゾクしました。2人とも変身の仕方がまったく違いますし(笑)。
―アドリブも多かったんですか?
コメディということもあるので、自分が過去に出演した戦隊作品へのオマージュとか、小ネタみたいなものはたくさん入れました。複数のパターンを撮影して、「使われないだろうなー」と思っていたものを使っていただいた、なんてシーンもありましたね。でも、共演している久保田(悠来)くんなんてアドリブだらけで、完成した作品を見てびっくりしましたよ。「絶対こんなセリフないだろ」って(笑)。「さすがだな~、面白くしてくれるな~」って感心しました。僕のシーンでは、ケンドーコバヤシさんとの掛け合いのシーンなんかはアドリブばっかりです(笑)。
―特に気に入っているシーンはありますか?
やはりメットオフしたシーンは、自分でぜひやりたいと思っていたシーンなので、素直にやってよかったと思えるシーンになりました。苦労したのは、能力を手に入れて五感が研ぎ澄まされるシーン。「どの感覚が一番敏感なんだろう」とか考えると、難しかったですね。花粉症になりながらやってました(笑)。撮影時期、花粉がひどくて…。風に花粉に、本当に苦労しました。
―今後、このシリーズがどうなっていくといいと思いますか?
お兄ちゃんやって、弟やってときたら、もう…(笑)。次は女の子ですかね!? どんどん家族がすごいことになっちゃった、とか、親戚出てきちゃったりとか(笑)。コメディだからこそできることだと思いますし、新しいヒーローものをどんどん作り続けていけたらいいなと思います。
―最後にメッセージをお願いします
これまでのヒーローものにはない要素が満載だと思うので、ぜひ幅広い方々に見ていただきたいです。新しいヒーローが誕生しました。
―ありがとうございました
竜星涼(りゅうせい・りょう)
1993年3月24日、東京都出身。
フジテレビ系ドラマ「素直になれなくて」で俳優デビュー。2013年の「獣電戦隊キョウリュウジャー」のキョウリュウレッド/桐生ダイゴ役で初主演を飾る。最近では、ドラマ「ごめんね青春!」(TBS系)、「こえ恋」(テレビ東京系)、映画『orange』などの話題作に出演。映画『シマウマ』『泣き虫ピエロの結婚式』では主演を務めた。