今回ご紹介する作品は…
ヒックとドラゴン 聖地への冒険
12月20日(金)全国公開の本作。バイキングの少年とドラゴンの冒険を描くアニメーション映画「ヒックとドラゴン」シリーズの第3作目となる。
2010年に公開された1作目『ヒックとドラゴン』は、その年の北米興行収入ランキング9位を記録。続く2014年公開の2作目『ヒックとドラゴン2』では1作目を上回る興行収入を上げ大ヒット。さらに2015年ゴールデン・グローブ賞のアニメ賞を受賞するなど内容面でも高い評価を獲得した。
しかし日本では、1作目が劇場公開されそのクオリティの高さに称賛の声が続出するも、2作目は公開の見通しが立たず、有志によりネット上で劇場公開を求める署名が行われた。7000人以上の署名が集まり、さらには監督本人も署名に参加するなど話題にはなったが、その思いは実らず結局は劇場未公開となってしまった。
そして2019年、全米で公開されたシリーズ最新作『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』は週末興行収入ランキング初登場1位を記録、全世界興行収入が5億ドルを突破した。この世界的大ヒットが後押しになったのか、3作目にして遂に日本での劇場公開が決定。公開を待ち望んでいた日本のファンたちは歓喜した。
そんな歓喜したファンの1人である私が、一足先に試写を拝見させていただき感じた本作の魅力を簡単に3点ほどご紹介したい。
1点目は、何といっても空を翔る飛行シーンの爽快感だろう。スクリーン一杯に広がる空を、主人公・ヒックが相棒のドラゴン・トゥースに乗って縦横無尽に飛び回る飛行シーンは、いつしか風を切る感覚すらしてくるような一体感がある。これはぜひ映画館の大きなスクリーンで体験してもらいたい。
2点目は劇中に出てくるドラゴンたちの多種多様さ。猫のような丸っこい体と大きな瞳が可愛いトゥース、パールのように輝く肌が美しいライト・フューリー、ずんぐりむっくりして岩のようなグロンクルなど、劇中に出てくるドラゴン全てが特徴的な造形で見ているだけで楽しくなる。一つのショットに最高65000匹以上のドラゴンが登場しているらしいので、自分のお気に入りドラゴンを探してみるのも良いかもしれない。
そして3点目は、やはり心に響くストーリーである。本作では、文字通り“一心同体”の関係であるヒックとトゥースが、お互いを想っているからこそ、ある辛い決断を迫られる。成長する過程で大なり小なり同じような経験をしてきた大人の観客は、よりやるせない気持ちになってしまうのではないだろうか。だからこそ、ラストでのヒックとトゥースの関係性がとても眩しく見えてしまうのでは。
子供だけでなく、大人も童心に返ってワクワクできる作品なので、ぜひ劇場で楽しんでいただきたい。
【ヒックとドラゴン 聖地への冒険】
配給:東宝東和 ギャガ
公開日:12月20日(金)
公式サイト:https://gaga.ne.jp/hicdragon/
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