
12月3日まで幕張メッセで開催された「東京コミコン2017」の会場で、樋口真嗣総監督の最新作となる完全オリジナルTVアニメーション「ひそねとまそたん」が発表され、最新作発表会に樋口総監督、キャラクター原案・青木俊直氏、モンスターコンセプトデザイン・コヤマシゲト氏、アニメーション制作ボンズの南雅彦氏が登壇した。
これまで「エヴァンゲリオン」シリーズなどアニメーション作品に関わることはあっても、実際に総監督というポジションに立つことはなかった樋口総監督は、「アニメーションを作りたいということよりも、青木さんの絵に惚れたり、コヤマさんの絵に惚れたりということが重なった結果、アニメーションという表現が良いと思った」と経緯を明かした。
また、青木氏が自身のFacebookでドラマ「あまちゃん」のファンアートを掲載していたのを見てオファーを決めたという樋口総監督。「この人の描く絵が動くとどうなるんだろう。アニメーションを作ったらすごく面白いんじゃないかと思い、声をかけました」と説明する樋口総監督に対し、「急にメッセージがFacebookから来て、あの樋口真嗣が俺に何の用なんだ、と(笑)」と、突然のオファーであったと振り返った。
ドラゴンの設定について樋口総監督は、「『日本沈没』という作品をやっていた時に、一日中、成田空港で飛行機が離陸する様子を撮っていたことがあって。そこに、いろいろな国から飛んでくる飛行機を撮り続けている人たちがいたんです。その時、本当に違うものが来たらどうなるのだろうと。飛行機の中のひとつが、日本に昔からいるドラゴンが戦闘機のコスプレをしていたら…、というアイデアが浮かんできたのが始まりでした」と告白。
さらに、撮影のスタイルについて、「自分だったらどういうアプローチができるかを探っているうちに、今回は無理を言って、絵が出来上がる前に声優さんに声をあててもらう“プレスコ”という方法をやらせていただき、声優さんには絵に縛られない自由なお芝居をしていただいていたりと、面倒くさいことをお願いさせていただいております。今までのアニメーションとは質的に少し違ったものになるかもしれない。その違ってくる質感を作ってみたいと思っています」と語った。