
東京・日本橋の日本橋三越本店で、写真家・岩合光昭が初めて映画監督に挑戦した『ねことじいちゃん』の公開を記念した写真展が本日より開催中。それに先立ち、開催前日の8日、レセプションが行われ、ヒロインの柴咲コウ、タマ役の猫ベーコン、岩合監督がトークショーを行った。
本作で天才的な演技で監督やキャスト陣を驚かせたベーコンは、“くす玉開き”という大役に挑戦。緊張気味なのか、くす玉のひもよりも報道陣に興味津々のベーコンだったが、見事くす玉を割ってみせると、集まった報道陣から歓声と温かい拍手が起こった。
岩合監督は撮影を振り返り、主演・大吉役を務めた立川志の輔について、「(撮影入りしてすぐ)お願いするまでもなく膝の上に載せて、ベーコンをかわいがってくれて、大吉さんになろうとしてくれたんです。でも、柴咲さんがその3日後くらいに入られたときに、ベーコンは柴咲さんの顔を見たとたん、志の輔師匠のひざから飛び降りて柴咲さんの方に寄って行ったんです。志の輔さんは『男の子だから仕方ないか・・・』と言っていました。僕もベーコンの気持ちがよくわかります」と明かすと、柴咲は「新しい人が来たから新鮮だったんだと思いますよ」と笑顔でフォローし、会場を和ませた。
小さい頃から猫が好きだという柴咲は、「二つ返事で受けさせていただきました。タイトルに『ねこ』という字が入っている映画には、猫好きなら絶対出たいですし、何より岩合さんが“初監督”という作品は二度とないわけですから」と快諾したことを明かした。撮影について「岩合監督は、初めての監督としてのご経験だったと思うんですけど、柔軟性というか、いろんなスタッフさんの意見に耳を傾けておられて、最善の方法で作品が完成したと思います」と監督の様子を振り返ると、岩合監督は「最初の撮影の時に、柴咲さんからお叱りを受けまして・・・。僕がOKを出したら、柴咲さんがモニターの方に来られて『監督は猫しか見てなかったですね』とおっしゃったんです。人間のお芝居も見てくださいね、と(笑)。それで、あ、しまったと・・・」と恐縮しきり。柴咲は「やっぱり図星だったんですね」と撮影時を思い出し笑顔を見せた。
また、大吉の妻役を演じた田中裕子の演技力に驚いたという岩合監督。「タマが枕元に近寄った時にタマの名前を呼びながら、その目は病弱な人という演技をされていて、モニターを見ながら震えるくらいすごかった」と語ると、柴咲から、「人間にも興味を持ってもらえましたか(笑)」と鋭いツッコミが入り苦笑い。さらに、タマの子供の頃を演じた子猫を、現在は岩合監督の自宅に引き取ったことを明かすと、報道陣から「えー!」とらやましがる声が上がった。
最後に、柴咲は「猫ももちろん素敵に映っているんですけど、どんなカットにも猫がいる作品って、いままでにないですよね。どの猫も伸び伸び過ごしているし、猫の日常が描かれているので、素敵な映画になったんじゃないかと思います」と作品の見どころを語り、岩合監督は「撮影した佐久島は素晴らしい島なので、映画を見て、皆さんにも実際に訪れていただきたいと思います」と締めくくった。
岩合光昭写真展「ねことじいちゃん」は、日本橋三越本店で1月21日(月)まで開催。
■岩合光昭写真展「ねことじいちゃん」
【会場】日本橋三越本店 新館7階催物会場
【時間】午前10時~午後6時30分(午後7時閉場)※最終日は午後5時30分まで
【料金】一般・大学生800円/高校・中学生600円(税込/小学生以下無料)
【HP】http://nekojii-photoexhibition.jp/
主催:岩合光昭写真展「ねことじいちゃん」実行委員会
協賛:オリンパス株式会社