伊藤健太郎、ハリウッド進出に希望「いつか・・・!」/『グリーンブック』ピーター・ファレリー監督来日緊急会見

公開中の映画『グリーンブック』アカデミー賞受賞記念 ピーター・ファレリー監督来日緊急会見が5日、都内のホテルで行われ、ファレリー監督がゲストの伊藤健太郎と3部門の受賞を祝して鏡割りを行った。
取材・文・写真=赤山恭子

公開中の映画『グリーンブック』アカデミー賞受賞記念 ピーター・ファレリー監督来日緊急会見が5日、都内のホテルで行われ、ファレリー監督がゲストの伊藤健太郎と3部門の受賞を祝して鏡割りを行った。

3月1日より国内で封切られた本作は、4日間で28万人を動員し、3.4億円をすでに突破、興行収入は20億円を見通しているという。大ヒットを受けて、ファレリー監督は、「アリガトウゴザイマス! まさか、こんなことになるとは思っていなかった。日本に来られることも大変な栄誉です」と感謝の挨拶。

粗野で無教養のイタリア系用心棒と、インテリな黒人の天才ピアニストという真逆のキャラクターの2人が、互いの違いを受け入れながら交流を深めていく内容の同作。どこが人々の心を捉えたと感じているかと聞かれたファレリー監督は、「作品の強みは、観ている方に希望を感じさせるところと自負しています。彼らは真逆だが、話をすることで共通点を見つけていく。たった“話す”という行為だけで」と、希望についての要素を熱弁した。

会見の後半には、アカデミー賞授賞式前から「『グリーンブック』が作品賞を獲り、助演男優賞もマハーシャラ・アリが受賞する!」とプッシュしており、予想が的中した伊藤が登場。ファレリー監督とハグを交わしながら「素敵な作品、素敵な役者さんだなと思って観ていたので、“絶対(賞を)獲る”と思っていたし、獲って何の不思議もない。まわりの友達にも“でしょう?”と言っていました(笑)」と自分事のように喜びを爆発させ、ファレリー監督を喜ばせた。

映画紹介番組のMCも務めるほど、映画好きとして知られる伊藤。ファレリー監督に、「車の候補はあったんですか? これはキャデラックですよね」と質問をぶつけると、「今回の車は、実際に、2人が乗った車の型を使っているんです。本物は色が黒かったけど、映画を作ったときにモノクロタッチの設計をしたので、観ていて色あいが疲弊してしまう。少し色みを、と思ってグリーンにしました」と、ファレリー監督もうれしそうにこだわりを語った。

さらに、伊藤に興味を示した様子のファレリー監督が、「(伊藤は)あっという間にスーパースターになったんですよね。どんな気持ちですか? 日本アカデミー賞新人賞も獲ったんでしょう?」と矢継ぎ早に質問。伊藤は驚きの表情を浮かべながら、「自分でもびっくりです。まだ追いついていないですね」と心の内を明かした。

ハリウッドに「いつか行ってみたい気持ちがある」という伊藤に、ファレリー監督が「どこにいらしても素晴らしい仕事をするタイプだと思うけど、まず行ってしまうことが必要かな。いつか僕とお仕事をしてくださいね」と声をかけると、伊藤は「うれしい!」と興奮。伊藤が大好きだというコメディを得意とするファレリー監督だが、「伊藤さんには、コメディ以前に映画スターらしさをすごく感じます」と褒められ、「そうですか? うれしいなあ。言われたことがない(笑)」と照れ笑いの伊藤だったが、「その言葉を忘れずに日本で頑張って、いつか行ったときには“あのときの言葉を忘れていませんよね!?”って(言う)」と冗談半分、本気半分の発言をすると、ファレリー監督も「いつの日か、お待ちしています」と受ける気満々に答えた。

ABOUT
1962年、差別が色濃く残る南部で、あえてコンサートツアーを計画する黒人の天才ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)は、粗野で無教養のイタリア系、トニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)を期間限定で、用心棒兼運転手として雇うことに。黒人用旅行ガイド<グリーンブック>を頼りに、正反対のふたりは旅に繰り出す。
配給:GAGA
公開日:3月1日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
(C) 2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.