
取材・文・写真=赤山恭子
5月10日に公開の映画『僕に、会いたかった』の完成披露上映会イベントが3日、東京・日比谷にあるTOHOシネマズ日比谷で行われ、出演するTAKAHIRO、山口まゆ、柴田杏花、板垣瑞生、秋山真太郎、小市慢太郎、錦織良成監督が舞台挨拶に登壇した。
本作にて、初の無精髭を役で見せ寡黙な青年となったTAKAHIROは、試写を観た後、錦織監督に、真っ先に「いい映画だった」と伝えたという。「自分が主演で立ったんですけど、不思議と自分の映画を観ていない感覚というか、錦織監督の好きな作風をお客さんとして観られた気がしました」と、手ごたえを語る。
共演の山口、柴田、板垣といった10代の瑞々しいキャストとクロストークを繰り広げたTAKAHIROは、撮影を通して、特に板垣と仲良くなったそう。いくつかのボケ、つっこみを交えながら、劇中、ふたりで釣りをするシーンが出てくる話でも大盛り上がり。板垣は「TAKAHIROさんが本当にお上手で。僕が全然釣れなくて、すごくやさしく教えてもらいました」とTAKAHIROのお兄さん的エピソードを明かした。
本作でTAKAHIROと初タッグを組んだ錦織監督は、役者としてのTAKAHIROについて、「本人とも話して、実はすごく男らしくてさっぱりした方なので、役者としてかなりいけるんじゃないかと臨みました」と最初の印象を語る。撮影中は「“TAKAHIROくんらしくない、でもTAKAHIROくん”というお芝居をすごく考えてくれていた。演技指導は全然していなくて、どういう気持ちか、かなり綿密に現場でやらせてもらった」としつつ、「感極まって芝居をしてないのに泣いちゃうから、まだ早い、本番で泣いてくれって言って。そのくらい感情豊かだったので、これからが本当に楽しみ」と、その演技を称賛した。
これからのTAKAHIROについて、錦織監督が「俳優としてどんどん大きくなってほしいし、またやりたい俳優さんのひとりです」と力強く話すと、観客から温かい拍手が贈られた。当のTAKAHIROは、「褒めすぎですよ」と照れ笑いを浮かべながらも、「さっき、監督に“今日はTAKAHIROくんのことを褒めたいけど、あまり褒めすぎないほうがいいんだよね?”と言われたんです。“十分に褒めてください”と言ったら、約束通り褒めていただいて。ありがとうございます」と裏話も明かし、場内をまた笑いに変えていた。