松本穂香「小さな頃から見ていた」板尾創路との共演に感謝/沖縄国際映画祭『おいしい家族』特別上映

9月20日公開の映画『おいしい家族』が19日、「島ぜんぶでおーきな祭 第11回沖縄国際映画祭」にて特別上映を迎え、沖縄・北谷町にあるミハマ7プレックスで舞台挨拶が行われた。主演の松本穂香、共演の板尾創路、ふくだももこ監督が登壇し、完成の喜びを語った。
取材・文・写真:赤山恭子

9月20日公開の映画『おいしい家族』が19日、「島ぜんぶでおーきな祭 第11回沖縄国際映画祭」にて特別上映を迎え、沖縄・北谷町にあるミハマ7プレックスで舞台挨拶が行われた。主演の松本穂香、共演の板尾創路、ふくだももこ監督が登壇し、完成の喜びを語った。

本作は、もともとふくだ監督が手がけた短編映画『父の結婚』を長編化したもの。短編から続投した板尾は、「“やった!”という感じです。短編から長編になることは、あり得ないですから、この映画は導かれているものがあるんじゃないですかね。なるべくしてなった長編だから、出演者としてはぶっちゃけ“しめしめ”って感じです」とニンマリ。

脚本を一気に読んだという長編映画初主演の松本は、「読んでいて、こんなにワクワクする脚本って(あるのか)、この役をできるんだって、すごくうれしさがありました」とコメント。演じた橙花という人物については、「はたから見ているとすごくいい意味で“間抜け”というか、本人は強いつもりだけど、ちょっとバカっぽいところがかわいいところかな、と愛しく演じさせてもらっていました」と、隣にいるふくだ監督とアイコンタクトを取りながら明かした。

共演した板尾について、松本は「私は大阪出身なので、一方的に小さい頃から見ていたので緊張しちゃったんですけど、現場でいつも・・・言い方はアレですけど、しょうもないことをたくさん言ってくれて現場を盛り上げてくれました」と感謝と感動を伝えた。対する板尾も、「主演なので、いろいろ思うところもあって緊張もあるし、背負っているものが大きいので現場でも大変だと思うんですけど、みんなで楽しく撮影できるのが一番いいのかなって、ナチュラルでしょうもないことばかり言ってました」と、まるで本物の娘を見るような優しい眼差しで答えた。

長編映画デビューを飾ったふくだ監督は、当時、「『ひよっこ』を観ていて、悪い人が出てこない、みんな優しいという世界観、脚本すべてが素晴らしかった。いいな、こんな風に作ってもいいんだと思えた。松本さんのことも“すげえいい”と思っていた」と大きな影響を受けたと明かし、「衝突とか嫌なこととかなくていいんじゃないか、と思って書いた」ことが最大のこだわりだと、力強く語った。

今回は「島ぜんぶでおーきな祭 第11回沖縄国際映画祭」にて上映となったが、タイトルの「おいしい」と沖縄をかけて、沖縄料理について話が及んだ3人。松本が「沖縄のサーターアンダギーを食べたい!」と言えば、ふくだ監督は「海ぶどうが好き」と頬をゆるめる。本映画祭には「毎年来てる」という板尾は、「紅芋が好きなんですよ。スーパーで普通に売ってるけど、持ち出せない。2回ほど買ったんですけど、持って帰れなくて。何でダメなんですかね」と、集まった沖縄の観客に向かって疑問を投げかけていた。

最後にふくだ監督は、「この映画は私の思うユートピアを映画にしようと思って作った作品。この映画を見た人が、自分自身のこと、そしてすぐ隣にいる人を大事にして、優しくしていけばこの世界はもっとよくなるのではないか。そしてそのきっかけになってほしいと思っています」とPRした。

ABOUT
東京で働く橙花(松本)は、母の三回忌に離島の実家に帰ったときに、父・青治(板尾)がなぜか母の服を着て生活していることを知る。驚いた娘をよそに、父は「この人と家族になる」と、お調子者の居候・和生(浜野謙太)を紹介。状況をのみ込めない橙花だったが、父を始めさまざまな価値観や個性を持つ人々と触れ合うことで、自分らしく生きることの大切さに気付いていく。
配給:日活
公開日:9月20日(金)より、全国ロードショー
公式サイト:https://oishii-movie.jp/
(C)2019「おいしい家族」製作委員会