
取材・文・写真=赤山恭子
現在全国公開中の映画『僕に、会いたかった』の公開記念舞台挨拶が11日、東京・日比谷にあるTOHOシネマズ日比谷で行われ、出演するTAKAHIRO、松坂慶子、山口まゆ、柴田杏花、秋山真太郎、錦織良成監督が登壇した。
記憶を失った息子と、献身的に支える母親という親子の関係性となったTAKAHIROと松坂は本作で初共演。TAKAHIROは「大御所オーラというか、後光が射しているようで神秘的だったんですけど、役に入るとお母さんとしてスッと佇んでいる。さすがだな、と感じました」と、松坂の女優魂に触れた。
松坂の出演は、錦織監督の熱烈なオファーあってのことだったと錦織監督。「(舞台となる)隠岐の島に取材に行ったとき、オープンマインドな感じだったんです。ピュアな感じ、温かい感じで、最初に浮かんだのが松坂さん。もう松坂さんしかイメージできなくなって、ついついお手紙を書いてしまいました」と、思いをオファーの手紙に綴ったと明かした。
松坂は、「本当にもったいないような・・・ありがとうございます。監督の映画は、俳優が自然で、俳優の素顔が出ているような気がして。自分が知らないものが引き出されるんだろうなと楽しみにしていましたが、本当にその通りでした、ありがとうございます」と、深々と一礼をして想いを返していた。
隠岐の島に「島留学」に来る学生を演じたのは、山口と柴田のフレッシュな若手女優たち。「本作を誰と観たい?」と聞かれ、山口が答えようとすると、すぐさまTAKAHIROが「彼氏じゃないですかね? やっぱり」とふざける。合わせた山口は「そうですね」と言うと、TAKAHIROが「お父さん、許さないぞ!」と急に頑固な父親口調に。山口が「彼氏じゃダメですか?」と訴えると、「1回紹介してくれれば・・・」と渋々許す“親心”。さらに、柴田の服の露出が気になった様子のTAKAHIROは、またもや父親目線となり、「島にはここまで背中の開いている服の子はいない。夏だから露出に気をつけないと・・・」とブツブツ言って客席の笑いを誘った。
公開記念舞台挨拶の翌日が母の日ということで、息子役のTAKAHIROから母親役の松坂にカーネーションが贈られた。突然のサプライズに感激の面持ちの松坂に対し、TAKAHIROは「これからもお母さんと呼ばせてください! これからも息子でいさせてほしい一心で」と花束を渡しながらギュッとハグを交わした。松坂も「喜んで。徹からというよりTAKAHIROさんからのカーネーションですね」と真っ赤なカーネーションを眺めていた。