
仲野太賀と衛藤美彩のダブル主演映画『静かな雨』が、2020年2月7日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開されることが24日、東京フィルメックス映画祭のコンペティション部門での舞台挨拶で発表となった。舞台挨拶には、ダブル主演を務める仲野と衛藤、音楽を担当した高木正勝、中川龍太郎監督が登壇した。
満員の観客の拍手に迎えられた仲野は、「フィルメックスの熱量を感じて、びっくりしています。この作品を上映できることを誇りに思います」と笑顔で挨拶。中川監督とは『走れ、絶望に追いつかれない速さで』以来のタッグとなったが、「中川監督とはほぼ同世代で、一緒に歩みを揃えて映画を作れる数少ない仲間です。今回は中川くんにとっては初の原作もので、自分にできることがあればと参加しました。前作から4~5年が経って、まだまだお互いに成長していかないといけないし、今回もタッグを組んで、またより一層、高め合いたいと思ったし、刺激し合って作品を作れる監督だなと改めて思いました」と振り返った。
たい焼き店で働き、交通事故の影響で新たな記憶を刻むことができなくなってしまうヒロイン・こよみを演じた衛藤は、本作で映画初出演にして初主演を飾った。「3月に乃木坂46を卒業したんですが、この作品の撮影中はまだ在籍していて、グループでの活動をしながらの主演でプレッシャーもありました」と明かし、こよみという役柄については、「緊張した日々の中で、あまり深く役作りとか『こういうふうにしよう』という感じでイメージを作らずにすんなり入れたのは、自分と近いものがあったからなのかなと思います」と語った。
初めて原作の実写化への挑戦となった中川監督は、「原作の持っているおとぎ話のような世界観が、若い世代にとっての寓話になるようにというコンセプトで臨みました。原作があるからこそ、いままで出せなかったものを出し切ろうと、アイドル出身の衛藤さんとコラボさせてもらい、憧れの音楽家である高木さんに参加していただき、“同志”の太賀くんに作品の背骨を作ってもらいました。そうやって、周りの仲間をどう集めるかというところで、この原作を一種の寓話にできていたらいいなと思って作りました」と、共に映画を作り上げた仲間たちへの思いを語った。