『バッド・バディ!私とカレの暗殺デート』脚本家マックス・ランディス、オフィシャルインタビュー

ダメ男にばかり恋して失敗を繰り返す女の子マーサが、伝説の殺し屋と恋に落ちることで暗殺能力が覚醒するという奇想天外なストーリーが魅力の映画『バッド・バディ!私とカレの暗殺デート』が5月13日に公開される。脚本は、超能力を手に入れた普通の男子高校生を描いた『クロニクル』や、CIAエージェントという裏の顔を持つコンビニバイトを描いた『エージェント・ウルトラ』など、どこにでもいる人物に一味違ったスパイスを加えたストーリーで注目の脚本家、マックス・ランディスだ。奇想天外な脚本を得意とするマックス氏からオフィシャルインタビューが届いた。

―サム・ロックウェル演じるフランシスの役柄を普通の殺し屋ではなく“逆殺し屋”の設定にしたのはなぜですか?

そういう設定がおもしろいと思ったからだよ。殺人は間違っているというフランシスの哲学が皮肉っぽくて、コミカルに描けるんじゃないかと。それによって彼のクレイジーな部分を出せるんじゃないかと思って、そのような設定にしたんだ。

―フランシスが人を殺すときに付けるピエロのような赤鼻は何を象徴しているのですか?

フランシスは人々に人生を楽しんでほしいと思っている。自分の手によって死んでしまうけども、それは悲しいことではなく、ちょっとしたジョークのようなことだと相手に思ってほしくて付けているんだ。自分を一種のエンターテイナーだと思っていて、殺してしまうから実際には楽しいことではないけど、最後まで人生を楽しんでほしいという思いが込められているんだ。

―アナ・ケンドリックはハリウッド女優にしては珍しく小柄で、日本でも人気の女優ですが、彼女の演じるマーサをどうご覧になりましたか?

アナは、マーサのおかしな部分をうまく表現してくれて本当に素晴らしかったよ。彼女が過去に演じてきた役とは違ってマーサのユニークな部分がよく出ていた。マーサ役にはぴったりだったよ。

―“覚醒”がキーワードとなる作品が多いですが、覚醒というものへのこだわりがあるのですか? また、あなたが覚醒したい能力は?

自分にも特別な能力はあると思っているよ。それは、物を書くこと。自分は物を書くアーティストだと思っているし、それによって僕の人生は救われているし、人と繋がることができたし、自分を表現できているんだ。作品に“覚醒”という要素を含んでいるのは、みんなそれぞれ自分の能力に気付いてほしいという思いからだよ。奇想天外なスキルを得るとしたら、人を幸せにする力が欲しいな。どうやれば実行できるのか分かればうれしいよね。

―(原題の『Mr.Right(理想の人)』にちなみ)あなたにとっての理想の人とは?

自分自身がより良い人間にならなくてはいけないと思っているよ。相手の気持ちを尊重できるように。人って、相手との関係を急ぎがちだから、僕も人を傷つけないように気を付けている。だから、流れにまかせて相手を尊重するということをまだ学んでいる段階だよ。学ぶのは難しいことだけど、僕もいつか理想の女性と会えるといいな。その人がクールな女性だといいね。

―日本のファンにメッセージを。

日本のアニメにすごく影響を受けてきたよ。アニメには変なところもあるけど、いろいろな感情、いろいろなトーンが混ざっているということを、今回の『バッド・バディ!~』でも表現するようにしたんだ。『バッド・バディ!』イコール「日本のアニメ」と言ってもおかしくないよ。

―ありがとうございました。

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ABOUT
ダメ男とばかり付き合い、失恋を繰り返すちょっと変わった女の子マーサ(アナ・ケンドリック)。ある日、彼女の前に“理想の男”フランシス(サム・ロックウェル)が現れ、2人は急速に惹かれ合っていくが、彼は人殺しが許せず依頼人を殺す変わったヒットマンだった。世界中の殺し屋から狙われるフランシスと行動を共にしていく中、マーサは自分では気付かなかった“最強の殺し屋”としての素質に目覚めていき―。
配給:パルコ、ハピネット
公開日:5月13日(土)より、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
公式サイト:http://badbuddy.jp/
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