「作品によって同じ人物だと思われないような演技をするのが理想」/注目俳優・山口大地インタビュー

「Fate/Grand Order」や「戦国BASARA」「真・三國無双」シリーズなど、女性に人気の実写舞台版に数多く出演し、最近では「誰ガ為のアルケミスト 舞台版『聖石の追憶』」や「BLACK BIRD」の舞台に出演。仮面ライダージオウ スピンオフ「RIDERTIME 仮面ライダー龍騎」にも出演している注目の俳優・山口大地。ストイックに役作りや体づくりを行う演技への向き合い方も話題となっている。今後さらなる活躍が期待される山口大地に話を聞いた。

―先日まで「BLACK BIRD」の舞台に出演、立て続けに、5月から「DYNAMIC CHORD the STAGE」が控えていますね

まさに今、稽古の真っ最中です。僕はYUUというベース担当の役なんですが、人生で一度も楽器に触れたことがないので、勉強していかなきゃいけないんです。どうなっていくんでしょうね(笑)。歌う役の方たちはアーティストとして活躍されているので、クオリティーは間違いないです。

―演出はダンサーの石岡貢二郎さんが務められます

以前、共演させていただいたことがあるんですが、今回のバンドの話をどのように作っていかれるのか、すごく楽しみですね。さらに、4つバンドが登場するんですが、日によって2組ずつメインが違うという演出があるみたいなので、それも観ていただく方にとっては楽しみなポイントだと思います。

―舞台に限らず、演じるときに気を付けていることはなんですか?

普段、フッと沸き上がる感情を大切にするというか、フタをしないようにしています。たとえば、何かに感動して「泣きそうだな」と思ったとき、それを抑え込んだりしないで思い切り泣いてしまうとか。習慣で、朝起きてから瞑想する時間を作るようにしているんですが、その時に、これまでに経験したシチュエーションを思い出して、そのときの感情に従ってみる。舞台では特になんですが、目の前のことに敏感に反応して出るセリフってあると思うんです。ある意味、衝動に身を任せてみるという。こういう考え方が生かせるのって役者の醍醐味でもあると思うので、面白いなと思います。

―ドラマや映画などの映像作品と、舞台とでは違いますよね

舞台では、その場で観ている方のリアクションをいただけるので、すぐに演技に反映できる面白さがありますよね。公演中のリアクションもそうですし、観終わった方からSNSなどで感想をいただいて、次の日には演技に生かしていく、なんてことができるのも舞台の魅力だと思います。一方、映画とかドラマは、撮影から時間が経ってから完成品としてお見せすることになるので、変えていくことはできない分、賛否が必ずあって、いろいろな解釈の意見を聞くことができて、それはそれで面白いですよね。「へー、そんな解釈があるのか」という意見に触れて、勉強になったりもします。

―今後、どのような演技をしていきたいですか?

理想は、作品によって同じ人物だと思われないような演技をすること。「彼が出ている作品、3本も見たはずなのに、どの役かわからなかった」というくらいのお芝居をすることが理想です。それくらい振れ幅の大きい役者さんになりたいですね。いただく役の中には、それぞれ似ている役も多くて、同じ役作りでも成立するような役もあると思うんですけど、僕の場合はあえてまったく違う役作りをします。そのほうが、わざわざ違う作品を観てくださったファンの方が面白いと思うんですよね。自分も、それを意識するうちに演技するときのアプローチが増えていきますし、あえて色を付けるように心がけています。

―以前、ご出演されていた『ONLY SILVER FISH』では、舞台と映画が同時期に公開される試みがありましたね

同じタイトルの中でまったく違う役を演じられた面白い試みだったと思います。演出の西田(大輔)さんがあえて異なるキャラクター付けをしてくださったので、そのまま演じていてもまったく違う人物にはなったと思うんですけど、立ち姿から変えていって、「陰」と「陽」を演じられたので面白かったですね。僕はもしかしたら“イロモノ”キャラが好きなのかもしれないですね(笑)。主人公というより、脇で存在感を放つような役が好きです。うるさくないけど気になっちゃう人物。そういう役をまっとうできる役者に憧れますね。

―最後にメッセージをお願いします

舞台は特に、観客のみなさんのリアクションや応援があってこそ、僕たちがステージに立てています。大事な時間とお金を使って観に来てくださっているから、こうしてたくさんの役に出会えていると思っています。これからも、いろいろな役やお芝居を通して、たくさんの感情を還元させていただきたいと思っていますので、今後も応援していただけると嬉しいです。

―ありがとうございました

ABOUT
山口大地(やまぐち・だいち)
1988年4月21日生まれ、鹿児島県出身。
2011年、ドラマ「俺の空~刑事編」主役オーディションで準グランプリを受賞し、俳優デビュー。ドラマ「匿名探偵」「町医者ジャンボ!!」など数々のドラマに出演。舞台「戦国BASARA4」への出演をきっかけに、「私のホストちゃん」「Fate/Grand Order THE STAGE -神聖円卓領域キャメロット-」「ONLY SILVER FISH」「宝塚BOYS」など話題の舞台にも出演。現在、ドラマ「RIDERTIME 仮面ライダー龍騎」がビデオパスで配信中。5月11日(土)より「DYNAMIC CHORD the STAGE」がヒューリックホール東京にて、6月26日(水)より、「誰ガ為のアルケミスト舞台版『聖石の追憶』」が銀座博品館劇場にて公演予定。
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