「実在する人間の怖さがポイント」/ドラマ「そして、ユリコは一人になった」玉城ティナインタビュー

『このミステリーがすごい!』大賞の関連作品をドラマ化する『このミス』大賞ドラマシリーズの第5弾、「そして、ユリコは一人になった」が3月5日よりカンテレにて放送、6日よりU-NEXTにて配信される。ある高校に伝わる“ユリコ様伝説”をめぐる謎に迫る女子高生・美月を演じるのは、『惡の華』や『Diner ダイナー』での演技が高い評価を受ける玉城ティナだ。本作への思いを聞いた。

写真=松林満美

―まずは、出演が決まったときの思いを聞かせてください

ドラマのレギュラー出演が久しぶりで、さらに主演という大役を任せていただけるということでプレッシャーもありましたが、新しい挑戦にもなるのでトライしようと思いました。最初、脚本を7話までいただいて、読み終わった時点で「最後どうなるんだろう」というハラハラ感がありました。しばらくたってから最終話をいただいたんですが、「そういうことだったのか!」という驚きがあったのを今も覚えています。

―美月の役作りはどのようにされましたか?

監督とお話ししたときに、私と監督との間で美月像に大きな違いがなかったので、スムーズにできたと思います。私自身が役をあまり決め込むほうではないので、現場にいってみんなと呼吸を合わせつつ、その都度考えていきました。美月はどんなときも落ち着いているし、冷静なので、どうやったらそういうクールさとかミステリアスさが表現できるんだろうって考えていました。私は地声が少し低いので、落ち着きながらも声のトーンを上げてみたりとか、ちょっとした目線の工夫だったりとか。百合子(岡本夏美)との関係性も物語の重要なポイントなので、彼女にだけ見せる表情も意識して演じていました。

―美月との共通点や共感できるところはありますか?

美月は客観的な目線を持っているんですけど、私自身もそうありたいなと思っているので、似ているというか共通した考え方だなと思いましたし、何を考えてるかわからない感じは、私もよくそう言われるので(笑)、今こそ生かすべきだなと思いました。自分の中にある美月像を膨らませつつ、みんなの意見も取り入れつつ、という感じでしたね。

―同世代の多い現場でしたがどのような雰囲気でしたか?

はじめましての方も多くて、年下のキャストも増えてきて・・・そういう歳になってきたんだなと感じました(笑)。

―本シリーズにはクリエイティブ・ディレクターとして佐藤二郎さんも関わっています

現場に来られて、実際に佐藤さんが出演されている回もあります。なんだかその話だけ別のドラマのような・・・(笑)。笑うのをこらえるのに必死でした。佐藤さん節というか・・・「これか!」と目の当たりにしました(笑)。カメラが回っていないときもたくさん話してくださるので、元気をいただきました。

―「都市伝説」は信じるタイプですか?

怖いのが苦手で・・・ホラー作品にも出演させていただいていますが、いまだに観るのは苦手です。今回は、得体の知れないホラー的な怖さに加えて、実在する人間の怖さがポイントなので、もし自分の学校でそういうことがあったら絶対、怖かったと思います。

―今後、どんな活躍をしていきたいですか?

昨年は映画が主でしたが、今回、ドラマに出演させていただいて、また新しく私を知ってくださる方が増えるといいなと思いますし、ドラマや映画を問わず、自分にとって必要な役、求められる役、やるべき役に向き合っていけたらいいなと思います。まわりの方が思ってくださる私の新しいイメージに出会っていけたらいいなと思います。

―今年は聖火ランナーも務められますね

大好きな地元を走らせていただけるので、楽しみです。こういった、演技などのお仕事以外でも、いろいろな形でみなさんのお目にかかれるのはうれしいですね。

―デビューして6年、成長したと感じるポイントは?

最初の頃は、本当に右も左もわからないことだらけだったので、それに比べたら一つ一つでも経験値は上がっているのではないかなと思います。振り返ってみると、たくさんの役に触れさせていただいたなと思いますし、これからもどんどんいろんな役に携わりたいです。たとえば『惡の華』は、中学生のころに読んでいた作品で、なじみのある作品の大事な役を演じさせていただいたのはうれしいことでしたし、『Diner ダイナー』も、蜷川(実花)監督とは沖縄にいた14歳のころから写真でお世話になっていたので、20歳を超えてから映画という形でご一緒できたのは感慨深かったですね。

―改めて、作品を楽しみにしているファンにメッセージを

「なぜユリコは一人になる必要があったのか」ということや、一人になっていくその過程など、飽きずに最後まで楽しんでいただける作品になっていると思います。私もオンエアで1話から見直せるのを楽しみにしていますので、一緒に楽しんでいただければと思います。

―ありがとうございました

玉城ティナ(たましろ・てぃな)
1997年10月8日生まれ、沖縄県出身
講談社「ミス iD2013」で初代グランプリに輝き、14 歳で「ViVi」の最年少専属モデルとなる。2014年、ドラマ「ダークシステム恋の王座決定戦」のヒロインで女優デビュー。2015年、『天の茶助』で映画初出演。主な出演作は『わたしに××しなさい!』『Diner ダイナー』『惡の華』『地獄少女』『AI崩壊』など。

ABOUT
百合ヶ原高校に代々伝わる「ユリコ様伝説」。ユリコという名を持つ生徒は「ユリコ様」として絶対的な権力を持ち、彼女に逆らう者には必ず不幸が訪れる。しかし、「ユリコ様」になれるのは一人だけで、ユリコが複数人いた場合は退学や転校などで一人に淘汰されるという。一年生の矢坂百合子(岡本夏美)はクラスメイトたちからひどいいじめに遭っていたが、ある日、別のクラスの親友・嶋倉美月(玉城ティナ)から伝説について聞かされ、「ユリコ様になってみる?」と聞かれ困惑する。

■3月5日(木)より放送開始/3月6日(金)より配信開始
■1話30分×全8話
■放送局:カンテレ(毎週木曜24:25~24:55/関西ローカル放送)
※初回放送は24:26~/各放送回はドラマ公式サイトでご確認ください。
■独占配信:U-NEXT(毎週金曜10:00より配信スタート)
配給:制作:U-NEXT、カンテレ
公開日:3月5日(木)より放送開始/3月6日(金)より配信開始
(C) U-NEXT/カンテレ